懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「息子と張り合う気満々だ。きっと里帆の取り合いになるから覚悟したほうがいいぞ」
「娘だったら私そっちのけになりそう」
きっと溺愛だ。それはそれで妬けなくもないが、そんな想像をするだけで幸せな気持ちになる。
「どっちだとしてもかわいいに変わりはないけど、俺にとっては里帆が一番。生涯それは変わらない」
亮介が里帆の髪にキスをする。
首を捻って振り返った里帆の唇にそっと唇を重ね、体を反転させた。
「里帆、早急に入籍を済ませよう」
亮介が向かいから真っすぐに里帆を見つめる。
「……でもそれはやっぱり、亮介さんのご両親に認めていただいてからがいいです」
誰に反対されようが結婚すると言ってくれる亮介の言葉はうれしい。でも、それが彼の親なら、やはり賛成と祝福をしてほしい。
新しい命がお腹に宿り、自分も親という立場になった今だから、余計にそう思うのかもしれない。