懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


唇が一度触れ合って、離れたタイミングで大事な報告をする。


「今日の健診で性別がわかったんです」
「そうなのか! で、どっちだった?」
「亮介さんはどっちだと思いますか?」


里帆の質問に亮介は「男の子」と即答した。よほど確信があるらしい。


「当たりです」
「やっぱりな。俺が里帆を抱いてるときのあの暴れ具合は、絶対そうだって思ってたよ。それまで静かなくせに、突然動き始めるからな」


いきなり夜の秘め事に話題が飛び、頬が熱くなる。

でも亮介の言う通りでもあった。それまでじっとしていたにも関わらず、亮介とひとつになった途端、お腹の中ででんぐり返しでもしているみたいな動き方をするのだ。

もしかして苦しいのかと不安になり、一度健診のときに恥ずかしさを堪えてドクターに聞いてみたところ、心配する必要はないということだった。

『お母さんが気持ちいいときは、お腹の赤ちゃんも同じだと思いますよ』と言われ、頭から湯気が出るほどに赤面した覚えがある。
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