懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「産まれてきたら、里帆の取り合い確定だ」
「ふふ。そんなこと言わないで赤ちゃんに譲ってあげてください」
「考えておくよ」
チュッと音を立てて、もう一度唇が触れ合う。
「名前も考えなきゃならないな」
「そうですね」
一応、名づけ本は買ったものの、どれがいいかとあれこれ目移りして候補すら上げられない。
「それじゃ、使いたい漢字だとか名前の響きだとか、お互いにそれぞれ考えようか」
「それいいですね」
やっぱりふたりで一緒に悩み抜いて決めてあげたい。
亮介の提案に里帆は快く頷いた。
「里帆からビッグニュースを聞いたから疲れが吹き飛んだ」
ネクタイを緩めながらリビングへ戻る亮介の後を追う。
「なにかトラブルでもあったんですか?」