懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
尋ねた里帆に亮介はため息で答えた。よほど大きな問題が起こったか。
「成島が俺に秘書をね」
「新しい人が配属されたんですか?」
この前ここへ来た成島が、奥の手があるとかないとか、たしかそんなことを言っていたから、それがうまくいったのだろう。
ただ、亮介はどこか不満そうだ。
「あんまり秘書っぽくないから先行きに不安しかない」
いったいどんな女性だろうとあれこれ想像をする。
容姿がド派手なのか、それとも振る舞いが荒っぽいのか。里帆自身も、自分が秘書らしいかといったら疑問符ではあるが。
「調子のいい男だ」
「えっ、男の人なんですか?」
「成島は、男なら俺も文句は言わないだろうと考えたらしい」
なるほど。苦肉の策というわけだ。
「その方を一度ここに連れてきていただけませんか?」
「え?」