懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
通路側がガラス張りになった新生児室は、カーテンの開放時間も定められているため、その時間を逃すと赤ちゃんの顔を見るのも叶わない。授乳時間は完全遮断だ。
「たくさんミルクを飲んでるし順調ですよ」
まだ母乳の出が足りないためミルクとの混合。昨夜は、よく出るようになるためのマッサージも教わったところだ。
「里帆は? どこか痛いところとか、具合の悪いところはないか?」
ベッドに戻った里帆に顔を近づけ、まじまじと見つめる。
「ないです。それより亮介さん、お仕事大丈夫ですか?」
今日はお昼過ぎに一度顔を出したばかり。夕方まであと少しだから、当然ながら仕事中だろう。
「俺をなめるな。仕事はきちっとこなしてる」
不満げに言ってから、里帆の額に唇で触れる。