懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


通路側がガラス張りになった新生児室は、カーテンの開放時間も定められているため、その時間を逃すと赤ちゃんの顔を見るのも叶わない。授乳時間は完全遮断だ。


「たくさんミルクを飲んでるし順調ですよ」


まだ母乳の出が足りないためミルクとの混合。昨夜は、よく出るようになるためのマッサージも教わったところだ。


「里帆は? どこか痛いところとか、具合の悪いところはないか?」


ベッドに戻った里帆に顔を近づけ、まじまじと見つめる。


「ないです。それより亮介さん、お仕事大丈夫ですか?」


今日はお昼過ぎに一度顔を出したばかり。夕方まであと少しだから、当然ながら仕事中だろう。


「俺をなめるな。仕事はきちっとこなしてる」


不満げに言ってから、里帆の額に唇で触れる。
< 257 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop