懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました

◇◇◇◇◇

せっかくの遠出のため、今夜は近くのリゾートホテルに泊まる予定になっている。

キャリーバッグひとつと大きな旅行カバンがひとつ。一泊とは思えない量だ。
家族がひとり増えるだけでこれほど荷物が増えるのかと驚いたものの、オムツやミルクのセットもあるため子連れとはこんなものなのだろう。

宿泊するのはプチホテルといったほうがぴったりの規模。五階建てで客室もそれほど多くない。夏のピークには海水浴客たちが詰めかけ、予約を取るのも大変だそうだ。
さすがに時期を過ぎているため、昨日の予約でも間に合った。

南国をイメージした木が植えられ、青空に白い外観がよく映える。エントランスはポップなカラー使いでリゾートらしさを出していた。

一階にあるレストランで夕食を済ませた里帆たちが案内されたのは、最上階のスイート。海を見渡せるオーシャンビューだった。

レストランにいるときには起きていた一絆だったが、エレベーターに乗り込んだときにはうつらうつら。部屋に入ってベッドに寝かせると、すぐに寝息を立て始めた。

マンション以外で亮介と過ごすのは、一絆が生まれてから初めて。特別変わったことをするわけではなくても、解放感がありいい気分転換になる。
< 274 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop