懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
先にシャワーを浴びた里帆がベッドルームで寝ている一絆を眺めていると、亮介もやって来た。
里帆の隣に座り、耳もとに唇を寄せる。
「ここからは大人の時間だ」
囁き声が耳をくすぐり、言葉の意味を想像してドキッとさせられた。
実は一絆を出産してから今日まで、亮介とはキス止まり。つまり体を重ねていない。一絆に気をとられてそれどころではなかったのだ。
「こっちにおいで」
亮介が里帆の手を取って立ち上がらせる。
「もうひとつベッドルームがあるから」
「でも……」
一絆をひとりにしても大丈夫だろうか。いつでもべったり一緒のため、つい不安になる。
「大丈夫。一絆が起きたらそこでやめる。たまには俺にも里帆を独占させて」
大好きな亮介から甘い言葉を言われれば、里帆だって突っぱねられない。亮介に誘われるまま、隣のベッドルームへ入った。