懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


ただ、久しぶりのため、なんとも言えず恥ずかしい。出産後で体型が崩れているのが気がかりでもある。
体重は戻ったものの、体のラインが妊娠前とは違う。そんな姿をさらすのかと思うと尻込みしてしまうのだ。

亮介に手を引かれてベッドに上がり、向かい合って座る。熱っぽい眼差しで見つめられ、否応なしに上がっていく心拍数。目を逸らすのも叶わない。


「里帆」


甘いトーンで名前を呼ばれるだけで、心臓が限界を迎えてしまいそう。
キスの予感に目を閉じると、亮介がそっと唇を重ねた。なぞるように優しいキスをして、いったん離れる。


「……里帆、震えてる?」


気づかれるとは思わなかった。


「なんだか緊張しちゃって」
「五ヶ月ぶりだからな」
「それに、体型がまだ戻らないから恥ずかしい」


とくにウエストラインが気になるところだ。杏がプレゼントしてくれたクリームのおかげか、妊娠線はどうにか免れたけれど。
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