懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


「何社かから、心のこもったお歳暮をいただいたって俺に直接電話が入ったよ。黒木副社長の秘書は素晴らしいって」
「本当ですか!?」


うれしくて肩を弾ませる。

そんなことを言ってもらえるとは思いもしなかった。自分なりに亮介の役に立ちたくて、毎日ただがむしゃらにやってきただけ。特別な技能があるわけではない。


「秘書なんていらないって突っぱねてた過去の自分に言ってやりたいよ。なかなかいいものだって」


亮介の言葉の一つひとつが里帆の心をぽんぽんと弾ませる。

これで大丈夫かな、なにか間違っていないかなと手探りでやってきた仕事を評価してもらえ、これ以上に幸せなことはない。


「ありがとうございます! またがんばっていきます!」


里帆は満面の笑みで声まで弾ませた。


「ところでそれは?」


亮介が不意に里帆の手もとを指差す。
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