懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「それで、こちらは?」
突然、その彼の目が里帆に向く。
「俺の秘書の立川里帆さん」
「立川と申します。いつも副社長にはお世話になっております」
立ち上がり頭を下げた。
「こっちはさっきも話したけど、俺の大学時代の友人」
「霧生《きりゅう》隼です」
亮介の友人が名乗り、爽やかな笑顔を向ける。
「都内にフレンチレストランをいくつも展開してる、一応は社長だよ」
「一応は余計だ」
すかさず隼が突っ込み、亮介の肩を叩いた。
「そうなんですか。とても素敵なお店ですね」
いかにも高級そうなため、里帆では普段使いはできそうにない。ここぞという夜に使うにはもってこいだ。