たとえば、こんな人生も
「―良くないよ」
「……いつきさん?」
じっと私に顔を向けるいつきさん
そこにいつも浮かべてる笑顔はなくて
「本当に…
きみは危なっかしくて放っておけない」
深くため息をついて
いつきさんはまた手当てを再開した
私はいつもと違う
そのどこか不機嫌そうな表情に少し戸惑った
「………怒ってます?」
「少し」
おそるおそる問いかければ
肯定する言葉が返ってきて、私はさらに戸惑った
「…きみは、自分を粗末に扱いすぎ」
「粗末に扱ってるつもりはないです
姉さんが、痛い思いするのは嫌だっただけで…」
「うん。でも、相手の気持ちは?」
「きみが代わりに痛い思いをして
それを目の前で見てたせなさんの気持ちは?」
手当てを終えたいつきさん
救急箱のふたを閉じてから
そのままじっと私を見つめて問いかけた
「…」
「せなさんだって、きみと同じように
きみを大切に思ってる」
「きみが傷付けばひどく悲しむ
苦しくて泣くかもしれない」
「……いつきさん?」
じっと私に顔を向けるいつきさん
そこにいつも浮かべてる笑顔はなくて
「本当に…
きみは危なっかしくて放っておけない」
深くため息をついて
いつきさんはまた手当てを再開した
私はいつもと違う
そのどこか不機嫌そうな表情に少し戸惑った
「………怒ってます?」
「少し」
おそるおそる問いかければ
肯定する言葉が返ってきて、私はさらに戸惑った
「…きみは、自分を粗末に扱いすぎ」
「粗末に扱ってるつもりはないです
姉さんが、痛い思いするのは嫌だっただけで…」
「うん。でも、相手の気持ちは?」
「きみが代わりに痛い思いをして
それを目の前で見てたせなさんの気持ちは?」
手当てを終えたいつきさん
救急箱のふたを閉じてから
そのままじっと私を見つめて問いかけた
「…」
「せなさんだって、きみと同じように
きみを大切に思ってる」
「きみが傷付けばひどく悲しむ
苦しくて泣くかもしれない」