たとえば、こんな人生も
「お世話になったお礼」

「あー…アダルトビデオでもやればいいんじゃね?」

「シン君最低」

「男が喜ぶもんなんてそんなもんだろ」

「最低」

「分かった分かった
いつきなー…あいつ物欲ねーみてーだしな」


冷ややかな視線を向け、繰り返す
シン君は例のごとく気にも留めない

たけど質問に対しては少し考える素振りを見せて

思い出したように言う


「…ああ、けど
なんか欲しいもんできたとは言ってたな」

「それなに?」

「具体的に何かは聞いてねーけど
珍しく真剣だったな」

「なんだろ…」

「レイジなら知ってんじゃね?」

「うん。後で聞いてみる」


お礼をしたいのは本当
どうせなら喜んでくれるものをあげたい

いつきさんが欲しいもの


仕事が終わったらオーナーの所に行ってみよう
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