たとえば、こんな人生も
作ったお昼ごはんは好評で
いつきさんは喜んで食べてくれた
その後は一緒にテレビを見たり
話したりしていつきさんとゆっくり過ごして
夜ご飯はふたりでオムライスを作って食べた
そして
「送ってくれてありがとうございます」
「ううん」
家まで送ってくれたいつきさん
車から降りて玄関先までついてきてくれた
「……明かり、ついてないね」
「いないと思います」
言いながら玄関のドアを引っ張れば
すんなりとドアは開いて
不用心だなぁなんて思いながら
たたきを確認すれば、案の定あの人の靴はない
「もしかしたらし
ばらく帰ってこないかもしれないです」
こういうことは珍しくない
過去にも何度もあった
ふと気付いたときには家にいなくて
ふらりと帰ってきたと思えば
大概酔っ払っていて
ふらふらでお酒の匂いもすごかった
お母さんが亡くなってから
あの人はお酒に溺れて
今ではアルコール中毒になってるから
「いつきさん
本当に色々ありがとうございました」
小さく笑って頭を下げる
顔をあげれば
いつきさんはどこか神妙な面持ちで
心配そうに言葉を返す
「……本当に、大丈夫?」
「はい」
「無理してない?」
「はい」
「……そう」
いつきさんは喜んで食べてくれた
その後は一緒にテレビを見たり
話したりしていつきさんとゆっくり過ごして
夜ご飯はふたりでオムライスを作って食べた
そして
「送ってくれてありがとうございます」
「ううん」
家まで送ってくれたいつきさん
車から降りて玄関先までついてきてくれた
「……明かり、ついてないね」
「いないと思います」
言いながら玄関のドアを引っ張れば
すんなりとドアは開いて
不用心だなぁなんて思いながら
たたきを確認すれば、案の定あの人の靴はない
「もしかしたらし
ばらく帰ってこないかもしれないです」
こういうことは珍しくない
過去にも何度もあった
ふと気付いたときには家にいなくて
ふらりと帰ってきたと思えば
大概酔っ払っていて
ふらふらでお酒の匂いもすごかった
お母さんが亡くなってから
あの人はお酒に溺れて
今ではアルコール中毒になってるから
「いつきさん
本当に色々ありがとうございました」
小さく笑って頭を下げる
顔をあげれば
いつきさんはどこか神妙な面持ちで
心配そうに言葉を返す
「……本当に、大丈夫?」
「はい」
「無理してない?」
「はい」
「……そう」