たとえば、こんな人生も
8
家に戻って1週間が過ぎた
家に戻った翌日に帰ってきたあの人と出くわしたけど
何も言われず、何もされなかった
向けられたのは無関心な冷たい視線のみ
今のところは平穏無事に過ごしてる
オーナーや姉さん、いつきさんは
かなり心配してくれて
毎日、誰かしらからメールや電話がかかってくる
当たり前だけど
一緒に暮らしてた時より、いつきさんと話す機会は減った
最近は特に
外回りの仕事が多いみたいで、お店ではあまり見かけない
まあ、それを除いても
もともとお店で頻繁に顔を合わせたりもなかったから
だけど
「あ、いた。ひたなちゃん」
「いつきさん」
掃除用具の片付けをしていると
余所行き姿のいつきさんが現れた
「今から出かけるんですか?」
「うん。他店の視察」
「お疲れ様です」
「これ、作ったから家で食べて」
「…この前も貰ったのに」
「俺が好きでやってることだから
迷惑じゃないなら受け取って」
差し出された袋には
小さめのタッパーが何個か入ってる
中身はいつきさんお手製のお惣菜
家に戻った翌日に帰ってきたあの人と出くわしたけど
何も言われず、何もされなかった
向けられたのは無関心な冷たい視線のみ
今のところは平穏無事に過ごしてる
オーナーや姉さん、いつきさんは
かなり心配してくれて
毎日、誰かしらからメールや電話がかかってくる
当たり前だけど
一緒に暮らしてた時より、いつきさんと話す機会は減った
最近は特に
外回りの仕事が多いみたいで、お店ではあまり見かけない
まあ、それを除いても
もともとお店で頻繁に顔を合わせたりもなかったから
だけど
「あ、いた。ひたなちゃん」
「いつきさん」
掃除用具の片付けをしていると
余所行き姿のいつきさんが現れた
「今から出かけるんですか?」
「うん。他店の視察」
「お疲れ様です」
「これ、作ったから家で食べて」
「…この前も貰ったのに」
「俺が好きでやってることだから
迷惑じゃないなら受け取って」
差し出された袋には
小さめのタッパーが何個か入ってる
中身はいつきさんお手製のお惣菜