たとえば、こんな人生も

｢……こ、こういう時
どうすればいいんですか…？｣

｢……俺に聞く？｣

｢だって…｣


熱くなっていく顔を隠すように押さえて
困り果てた声を返せば

いつきさんは一度、私から目を逸らして
また深くため息をつく


｢……可愛すぎて、俺も困ってる｣


ぽつりと呟いて
落ち着かない様子で
自分の髪の毛をくしゃりと掴むいつきさん


そんな事を言われたら

もっと顔の熱があがって


｢……か、可愛いって言われたら
なんか、もっと熱くなってきたんですが……｣

｢………ひなた、ちょっと今しゃべらないで｣


そっと私の口を手で抑えて
いつきさんは懇願するように言う


｢……？？｣

｢はぁ……本当に……｣


｢女の人の扱いには
慣れてるつもりだったけど……｣


｢俺、きみが相手だと
どうしたらいいか全然分かんないよ｣


困ったように言いながらも
その表情は嬉しそうで

照れたように微笑むその顔に


心臓が早鐘を打つ