たとえば、こんな人生も
「……でも、そんな人が
なんでここでオーナーの仕事の補助?」


受付にはシン君達がいるし
姉さん達のガードマンの席も埋まってるとは言え

この界隈で名の売れた人が
事務や経理、経営の仕事の補助に就くなんて


「元々いつきは色んな店を転々としててな
店ごとに違う独特のノウハウを学んでたらしい」


「で、女向けの店だけじゃなくて
男向けの店はどんな感じか
知りたかったみたいでな」


「客としてじゃなくて、働く側からな
だからちょうど多忙だったレイジが
補助役としていつきを拾ってきたらしい」


「オーナーといつきさん、知り合いだったの?」


「そこまでは知らねーけど
俺が知ってんのは
最近までいた店をいつきが辞めたって事だけ」


「まさか、そいつがうちの店のベッドで
ぐーすか寝てるとはな」


「なんか見学してて眠くなったんだって」


オーナーに許可を貰って
客室とか設備とかお店の中を色々見てたみたいで


「だからって普通寝るか?」
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