たとえば、こんな人生も
言いながら冷蔵庫の中から
オムライスの材料を取り出す


「あの、いつきさん」

「ん?」

「作って貰うのも申し訳ないですし
食べられないかもしれないので…」

「気にしないで
食べられなかったら俺が食べるから」

「…」

「座って待ってて」



断りの言葉も軽くかわされる

笑ってソファーを示されて


私はやむなくそれに従った




……少しして



「どう?」

「…」



目の前に出されたオムライスを口に運ぶ



……さゆ姉さんのオムライスとは違うけど



「…おいしい」



味がする

濃すぎず、薄すぎないちょうどいい味付け

具材も食べやすいように全部細かく切ってくれてる



「良かった」



ゆっくりオムライスを食べる私を

私の前に座ったいつきさんは
頬杖をついて、小さく笑いながら見てた
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