たとえば、こんな人生も
学校終わり


公園のトイレで私服に着替えてからバイト先へ向かう


人目につかないよう入り組んだ裏道を通って
夜の繁華街へ足を踏み入れた

俗に言う大人のお店がたくさんのこの場所


呼び込みの
胸もとがガッツリ空いた服を着た綺麗なお姉さん

ありえないくらいスカート丈の短い
セクシーなお姉さん達を眺めながら


今日は人が少ないなー


なんてことを思う




たくさん立ち並ぶきらきらのお店

その内のひとつ、お城モチーフの可愛らしいお店


裏口からそのお店に入った




「あら、お疲れさま」

「シュカさん。お疲れ様です」



扉を開けた先でばったりと出くわしたシュカさんに頭を下げる


いつ見ても相変わらず綺麗で可愛いシュカさんに見惚れていると

伸びてきた手が私の頬を撫でる



「……また、傷が増えてる」


綺麗な顔が痛々しそうに歪む


「大丈夫ですよ」


笑顔を返せば、さらにそれが深まる



「……ひなた。やっぱり私の所に来なさい
見てられないわ」


「大事にしたくないのは分かる
だけど、あの家に留まる必要はないでしょう?」
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