たとえば、こんな人生も
「へ?」


「ひなたちゃん、怪我の具合も良くなってきたし」



言いながら、誰かに電話をかけ始めて



「あ、お疲れ様です。いつきです
…………いえ、何かあったわけではなくて…」


……



「他の姫達にも声をかけて頂きたくて
今夜、うちで食事でもどうかと」


……



「ひなたちゃんが寂しそうなので
是非来て頂きたいと」


……


「はい。では、よろしくお願いします」



耳からスマホを離すといつきさんは
あっけに取られてる私にまた笑顔を向ける



「ふたつ返事で行くって」

「……電話」

「お店にかけた。出たのはアリサさんだよ」

「…………呼んで、良かったんですか?」



お店で働いてる姉さん達は24人いる

仕事もあるし

全員が全員来るとは思わないけど


それでも「会いたい」って

私がわがままを言えば
それを叶えてくれようとする人達だから



「いいよ
別に家に上がられるのとかに抵抗ないし
防音だから騒いでも構わない
広さも問題ないでしょ?」
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