たとえば、こんな人生も
「いつきとも話した
ひなた。1ヶ月では無理だ
君をあの家には帰せない」

「…」

「もうしばらく君はいつきの所にいなさい」

「でも、オーナー……」



「レイジぃ~~っ!」



私がオーナーに言葉を返そうとしたタイミングで
真っ赤な顔のシン君がオーナーの後ろから現れて

がっしりとその肩に手をまわす


「なに逃げてんだよ~
ほら、お前も飲め!」

「……やれやれ、まったく…」


持ってたお酒を
強引にオーナーに飲ませようとする

オーナーは深くため息をついて

座ってた椅子から立ち上がると



ぐっと拳を作って



どす!



っと


シン君のみぞおちに力強い一発を食らわせた



「うぐっ」



うめき声をあげ、床に倒れるシン君



「飲みすぎだ、シン」



呆れたような声をシン君に向けるけど



「……聞こえてないと思います」



シン君は気絶してる



「さて、私達もそろそろ帰るよ」



言いながら
床に倒れたシン君を持ち上げるオーナー
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