たとえば、こんな人生も
まこちゃんと一緒にお菓子作りを始めて早5日


いつきさんにあげるお菓子は
一番最初に作って私が気に入った
マシュマロチョコプリンにした



「……まこちゃん、いつきさん大丈夫かな」


少しアレンジを加えたマシュマロチョコプリンを味見しながら
私は傍で片付けをしてるまこちゃんに話しかけた



しばらく留守にって宣言通り
いつきさんは家には帰ってこなくて


この間の疲れたような顔を思い出して

心配になった私



「うーん……なんかすごく忙しそうにしてる
ひなの心配してたよ
ごはん、食べてますかって」

「……食べてる」

「でも、ほんとにちょっとでしょ?」

「……」

「ごめんね
私の手料理、ひなの口に合わなかったみたい」

「違うよ」


いつきさんはいないけど
まこちゃんと一緒にごはんを作って食べてる


「まこちゃんの料理、美味しいよ
ただ……」


まこちゃんは料理上手だし
私も普通にお手伝いできてる

出来た料理は見映えも味も特に問題ない



なのに



なんでか
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