たとえば、こんな人生も
「食べていい?」

「どうぞ」


……


「……どうですか?」

「…すごく美味しい」


ぱくりとプリンを口にいれたいつきさんを
じっと見つめて、訊ねれば
返ってきたのは満面の笑み


「これ、本当に美味しい
俺好きだよ」


かなり口に合ったみたいで
いつきさんはすごく嬉しそう

喜んで食べてくれている
そんな姿を見たら、私の心も弾む


「まだあるので良かったら」

「うん。もらう」


……


「そうだ、ひなたちゃん」

「はい」

「レイジさんが
明日からお店に来て良いって」

「!本当ですか」


2個目のプリンを食べながら
思い出したように口を開いて
いつきさんが私に笑顔を向ける


「姫達、ひなたちゃんに会えるって
皆そわそわしてたよ」

「私も姉さん達に会えるの楽しみです」


いつきさんとも仲直りできたし
バイトも解禁

悩み事が一気に解決して
すごくすっきりした気分


「いつきさん」

「ん?」

「明日、一緒にごはんつくりましょうね」


そう言って
笑いかければいつきさんは
優しく笑って、頷いてくれた
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