たとえば、こんな人生も
「食べていい?」

「どうぞ」


……


「……どうですか?」

「…すごく美味しい」



ぱくりとプリンを口にいれたいつきさんを
じっと見つめて
訊ねれば返ってきたのは満面の笑み



「これ、本当に美味しい
俺好きだよ」


かなり口に合ったみたいで
いつきさんはすごく嬉しそう

そんな姿を見たら私も嬉しくなる


「まだあるので良かったら」

「うん。もらう」





「そうだ、ひなたちゃん」

「はい」

「レイジさんが明日からお店に来て良いって」

「!本当ですか」


2個目のプリンを食べながら
いつきさんが私に笑顔を向ける


「姫達、ひなたちゃんに会えるって
皆そわそわしてたよ」

「私も姉さん達に会えるの楽しみです」



いつきさんとも仲直りできたし
バイトも解禁


悩み事が一気に解決して
すごくすっきりした気分


「いつきさん」

「ん?」

「明日、一緒にごはんつくりましょうね」


そう言って笑いかければいつきさんは
優しい笑顔を返してくれた
< 92 / 177 >

この作品をシェア

pagetop