白雪姫に極甘な毒リンゴを
「鏡よ鏡、
俺が世界で一番好きな奴、
お前にわかるのかよ?」
『それは……白雪姫ですね』
「当たり。
やっぱりお前は俺の分身だけあって、
なんでもお見通しだな。
じゃあ、白雪姫の好きな奴は?」
『それは……』
「俺に気を遣わずに、言えよ」
『それは……七星(ななせ)君ですね』
「……正解」
俺には大好きでしかたがない子がいる。
でもそいつは、俺のことなんか大嫌い。
それでいいんだ。
だって『叶わない恋』なんだから。
手に入らないなら、
俺の思いを毒リンゴに込めて、
お前に食べさせたい。
そして俺の隣で、ずっと眠り続けて欲しい。
他の男に、取られないように……