白雪姫に極甘な毒リンゴを


「私、この高校に来てよかったよ。

 六花みたいな、
 本当の私でもいいって言ってくれる
 友達ができたから」


「友達じゃなくて、親友でしょ?
 桃ちゃん語だと……マブダチ?」


「わたし語って何よ?
 ヤンキーをバカにしているでしょ?」


「してないよ!

 ただ、私の知らない世界だなって思ったら、
 なんか知りたくなった」


「じゃあさ、こんど私の家に遊びに来ない?
 バスで1時間半もかかるけど」


「行って……いいの?」


「もちろん。

 あ……でも……
 我が家に来たら、かなりビビると思う。

 覚悟をして来て」


 ひゃ~!!


 嬉しくてしょうがないよ!!


 だって、桃ちゃんのお家に
 遊びに行けちゃうんだよ。
 


「六花、最前列に行って応援しよ!」


「うん」


 バスケ部ファンの女子たちで埋め尽くされた、
 2階の観客席の最前列。


 一番端っこしか空いてなかったけど、
 それでも紫音くんに届くように、
 一生懸命声を張り上げて応援した。


 隣の桃ちゃんは、男?って思っちゃうような
 低くて太い声で、
 応援っていうよりは、
 お仲間さんたちを怒鳴りつけていた。
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