白雪姫に極甘な毒リンゴを
それからのことは、よく覚えていない。
気が付くと、
自分の部屋のベッドに横たわっていた。
七星くんにフラれた時よりも、
なぜか今のほうが苦しい。
苦しくて、苦しくて、
胸をボコボコに殴られているような
痛みが走る。
なんで涙が止まらないのかわからない。
七星くんと付き合わないって決めたのは、
私だよ。
傷ついているのは、
私じゃなくて七星くんのはずだよ。
それなのに……
なんでこんなに……
苦しいの?
私は机の引き出しを開けると、
大事な大事なお守りを取り出し、
おでこにピタっと当ててみた。
小1でお母さんが亡くなった時に、
七星くんが私を励ますために
作ってくれたお守り。
余計に七星くんとの思い出が
フラッシュバックしてきて、
ベッドに顔を押し当てて、
声を殺して泣き続けた。