白雪姫に極甘な毒リンゴを

 中3の時の俺は
 『オシャレがモットー』のこの学園に、
 絶対に入りたいって思っていた。


 中学でも、勉強は学年でトップだったから、
 この学園に入れる自信があったのに。


 この学園の学園長と
 なぜか二人きりの面接のときに、
 言われたんだ。

 あの、美魔女アラフィフ学園長に。


 『あなたをこの学園に入学させる気はないわ。
  だって、30年前に私を振った男に、
  そっくりだから』


 なんて女だ!と思った。


 いくら私立の高校だからって、
 そんな個人的な理由で、
 俺を落とすなよって。


 その時に、俺の入学の条件が2つ出された。


 1つは、違う中学で全く知らない
 『桃瀬 十環』を、
 この学園に入学するよう説得すること。


 そしてもう一つが、
 女子たちともめ事を起こさないこと。


 『女子ともめたら、即効退学にするから』


 あの時、美魔女学園長に言われたんだ。


 だから、俺に群がる女子を追い払えない。


 六花はそんなことを知らないし、
 俺も言うつもりもないから、
 俺のことを『女好き』って思ってんだろうな。


 とりあえず俺は、
 一番勘違いされたままじゃ嫌なことを訴えた。
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