白雪姫に極甘な毒リンゴを
「私ね……
紫音くんにも……
好きって言われたの……」
は?
いつの間に?
紫音からも告白されていたのかよ。
って、そういうことか。
六花は七星より、
紫音を選んだってことか。
熱い血が、
ドクンドクンと頭に上ってくるのがわかる。
俺はもう、
自分を抑え込むのは無理だ。
でも、自分の気持ちを伝えた時点で、
今までの関係は間違いなく壊れる。
『兄』と『妹』という関係も、
氷山のように崩れ落ち流されてしまう。
そうなったら後悔しても、
今の関係には戻れない。
脳の10パーセントだけが
まだ冷え切っていて、
俺を制止させようとしている。
でも、残りの90パーセントが、
怒りに近い感情を煮えたぎらせている。
冷えていた脳までが、
熱い熱に侵されてしまったと同時に、
俺は絶対に言ってはいけない言葉を、
口走っていた。
「俺だって、
子供の頃からずっと
六花のことが好きだったんだよ」