白雪姫に極甘な毒リンゴを
学校について、教室のドアをくぐると、
七星くんが席に座っている姿が目に入った。
どうしよう……
気まずい……
足がゆっくりとしか動いてくれない。
なんとか席にたどり着くと、
さわやかな瞳の七星くんが、
優しく微笑んでくれた。
「赤城さん、おはよ」
「あ……おはよう……」
良かった。
七星くん、いつも通り挨拶をしてくれた。
でも、
七星くんが私と話したくないんだろうなって
いうのがわかった。
隣の席なのに、
まるで透明な壁を立てたかのように、
私のことを無視している。
しょうがないよね。
私のせいだから。
その日から七星くんは、
朝の挨拶の時だけしか、
微笑んでくれなくなった。
そしてお兄ちゃんは、
学校ですれ違っても、
『お前なんて視界に入ってないから』
みたいに無視。
家にも帰ってこない日々が続いた。