白雪姫に極甘な毒リンゴを
たこ焼きパクリ
☆六花side☆
「おい六花(りっか)、早く来い!玄関に!」
悪魔の怒鳴りつけるような声が、
朝から家じゅうに響き渡っている。
「何やってんだよ!
俺の足音を聞いてりゃわかるだろ!
言われる前に来いよ!」
「そんなこと言われても、朝は私も忙しいん……」
「お前の言い訳なんて聞きたくねえんだよ。
早くやれよ!」
は~
今朝もやらなきゃいけないよね……
学校に行く前の儀式を……
『行ってらっしゃいの3か条』
貝のように開く気なしの私の口に、
いやいや脳から指令を出して、
小さな声を出した。
「その1、男の人に笑わない」
「六花、声が小さい!」
「その2、門限は夕方6時……」
「平日は、5時だけどな!」
「その3、学校では、お兄ちゃんに近寄らない……」
「俺に、話しかけたりもすんなよ!」
毎朝、毎朝、お兄ちゃんが高校に行く前に、
玄関で言わされる3か条。
お兄ちゃんの小言はまだまだ続く。