白雪姫に極甘な毒リンゴを
全身がブルブル震える体をさすりながら、
私は倉庫から脚立を取り出し、
リビングの吐き出し窓の前に置いた。
そして、
自分の身長よりも高い脚立に上った。
って、今から窓掃除をしようとしているのに、
私、手に何も持っていないよ。
濡らした新聞紙で窓を拭いてから、
からぶきをしようと思っていたのに。
脚立に乗ったまま、
要領の悪い自分に落ち込む。
新聞紙たちを取りに行かなきゃなと思って、
脚立から降りようとしたとき、
「六花……」
背後からの声にドキリとして、
足を踏み外した。
キャ~!!
背中から落ちる!!
そう思って目をギュッと閉じたのに、
ゆっくり目を開けた時には、
大好きな顔が目の前に。
「お……お……お兄ちゃん!!!」