白雪姫に極甘な毒リンゴを

「でも……お兄ちゃんも私でいいの?

 私、前みたいにお兄ちゃんに命令されても
 従わないよ。

 嫌だって思ったら、
 ちゃんと嫌って伝えるんだから」


「ああ」


「茜さんみたいに、美人じゃないし、
 優しくもないし。

 お兄ちゃんにムカついたら、
 ハリセンボンみたいにプクって膨れちゃうよ。

 そんな私で、本当に良いの?」


 お兄ちゃん、
 茜さんのところに戻るなら今だよ?


 私と茜さんを比べたら、
 たこ焼きと松坂牛ステーキぐらい違う。


 茜さんに勝てるところなんて、
 私、1個もない。


 私が肩を落としてうつむいていると、
 お兄ちゃんはカバンから何かを取り出し、
 私の前に差し出した。


 え? 


 リンゴ?

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