白雪姫に極甘な毒リンゴを
ん?
これは?
たこ焼きだよな?
お皿の上に1つだけ、
つまようじの刺さったたこ焼きが、
ちょこんと乗っていた。
たこ焼きに上に、
ソースと一緒にかかっている、
この緑の粉は一体なんだ?
俺にキスをされそうになったのが
恥ずかしのか、
六花は耳まで真っ赤になりながら、
うつむいていた。
「六花、このたこ焼きは、なに?」
「……苦苦……たこ焼き」
「は?」
「お兄ちゃんへの思いを、
めいっぱい詰め込んで作ったの。
大好きだって思いをだよ。
でもね、苦い抹茶の粉を、
たこ焼きの生地にも入れてあるし、
振りかけてもある、苦々たこ焼きなんだから。
それでもこのたこ焼き、食べられる?」
なんだよそれ。
俺が六花に告白したときみたいじゃん。
六花の考えることが可愛すぎて、
ついつい笑ってしまった。
「アハハ。
食べられるに決まってるじゃん」
「すっごく苦いんだよ。
私がお兄ちゃんに作った抹茶ケーキの、
100倍くらい苦いよ」
「それでも、食べるよ、俺」
「お兄ちゃんがこのたこ焼きを食べたら……
私……
一生お兄ちゃんから離れないけど、いいの?」
六花が言ってくれた言葉が、
嬉しすぎて体中を駆け巡った。
俺の傍から離れない?
いい!!
いいに決まっている!!
俺だって一生離したくないし。
六花のこと。