白雪姫に極甘な毒リンゴを

 私の心臓が警告音を発しているかのように、
 ドクンドクン波打っている時


「できた」


 七星くんは私から、フッと体を離した。


 え? 


 これって……


 私の首元に、星の形のネックレスが……


「七星……くん?」


「俺からの、お誕生日プレゼント」


「え?でも……
 さっきもらったよ。

 ピンクの石がついたピアス」


「え? ピンクの石だった?

 クルミの奴、
 俺たちと同じ、
 ブルーの石って言っていたのに。

 あのピアスはさ、
 何にするかクルミに任せたてたから。

 でもこの星のネックレスは、
 俺一人で選んだもの。

 実は、俺とお揃いなんだ。 ほらね」


 七星くんは首元から、
 星の形のネックレスをちらりと見せてくれた


 ふ……二人だのけ……

 お揃いネックレス??


 嬉しすぎて、体中の血液が沸騰しそう……


 顔……絶対に真っ赤になっているよね…… 

 
 私……



 でもどうして、
 お揃いのネックレスなんてくれるの?


 私のこと……どう思っている?


 今聞きたい! 

 七星くんの気持ちを今知りたい! 


 そう思うのに、
 心とは裏腹に、口は全く動こうとしてくれない


「あれ? 七星? どこ?」


 七星くんを探す、
 心配そうなクルミちゃんの声が聞こえてきた。


「そろそろ、
 みんなから隠れるのは限界かな?

 たこ焼きパーティー、はじめよっか!」


 七星くんは、
 少しだけ影を帯びたような瞳を私に向けると
 立ち上がって、
 みんなのいるリビングに歩き出した。

 
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