白雪姫に極甘な毒リンゴを
☆一颯side☆
 
 六花が焼いたたこ焼きを
 みんなでほおばり、
 あっという間に六花の誕生日パーティーは
 終了した。


 今、六花たちは、
 皿を洗ったり片づけをしたりしている。


 俺は、たこ焼き器を箱にしまいながら、
 並んで皿を洗っている二人を、
 ついついにらんでしまう。


 あいつら……

 怪しいんだよ……



 あいつらとは、
 もちろん六花と七星。


 六花と七星が並んでタコを切っているとき、
 桃ちゃんに強引に引っ張られ、
 約束通り家の中を案内してやった。


 でも俺は、
 そんなことしている場合じゃないんだよ!
 って心の中でキレていた。


 自分の部屋の小窓から、
 キッチンにいる二人が見えた時なんて、
 お互い目を見て、微笑み合っていてよ。


 あんだけ、『男には笑うな』って
 毎朝、六花を洗脳してきたのに。


 七星の笑顔で、
 簡単に洗脳が解かれちゃったじゃん。


 俺が子供の頃、
 『赤城家の呪い』なんて
 嘘を六花に吹き込んだから、
 今日の六花は、
 ギャップがあって可愛さ5割増し。


 学校の時とは違い、
 メガネもはずして、髪をおろして、
 真っ赤なワンピ。


 七星の奴も、
 このギャップにやられている。


 そんなの、
 七星のことを見ていればすぐにわかる。


 六花の前で、
 モジモジしたり、顔を赤らめやがって。


 浴衣姿の時なんか、
 他の奴に六花を見せたくないって思うほど、
 六花が可愛かったけど……


 七星の奴も、
 そんな俺と同じ顔してたしな……


 は~


 このままじゃ、
 六花と七星がくっつくのも、
 時間の問題だよな……

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