白雪姫に極甘な毒リンゴを
放課後。
部活にバイトにと、
急いで教室を出るクラスメイトの
波に逆らって、
七星くんが私の所にやってきた。
「りっちゃんのお弁当、
すっごくおいしかった。
野菜の肉巻きの味付けって、
テリヤキ?
あのたれの味がたまんなくて。
卵焼きもふんわり優しい甘さだったし、
ほうれん草のベーコン炒めだって……」
七星くんは興奮したように、
お弁当のおいしさを力説してくれている。
とりあえず良かった。
七星くんのお口に合ったみたいで。
でも……
忘れてた!!!
私、七星くんへのお弁当と一緒に、
メッセージカードを入れたんだった。
『好きな人は、いますか?』って。
目の前の七星くんは、
まだ私の作ったお弁当の話を
してくれている。
でも、メッセージカードのことばっかり、
頭の中がグルグル回っていて、
全然耳に入ってこないよ。
そんな時、
「七星! 早く帰ろうよ!」
離れた席から、クルミちゃんの声がした。
「りっちゃん、
おいしいお弁当をごちそうさま。
お弁当箱はどうする?
洗ってまた届けようか?」
「大丈夫……自分で洗うから……」
「俺の弁当箱、もらってくね」
このままじゃ、
七星くんにお礼も言えずに
バイバイになっちゃう。
それは……
嫌だ……
「りっちゃん、また明日ね」
そう言って、
七星くんがドアに向かって歩きだした時、
必死に七星くんの持っているお弁当箱を
つかんじゃった。
「りっちゃん?」
「え……と……
お弁当……すごくおいしかったし……
嬉しかった……
ありがとう……」
お礼を言うのにいっぱいいっぱいで、
うつむいたまま、なんとか言えた。
七星くんは、
太陽みたいにまぶしい笑顔を
私に向けてくれた。
部活にバイトにと、
急いで教室を出るクラスメイトの
波に逆らって、
七星くんが私の所にやってきた。
「りっちゃんのお弁当、
すっごくおいしかった。
野菜の肉巻きの味付けって、
テリヤキ?
あのたれの味がたまんなくて。
卵焼きもふんわり優しい甘さだったし、
ほうれん草のベーコン炒めだって……」
七星くんは興奮したように、
お弁当のおいしさを力説してくれている。
とりあえず良かった。
七星くんのお口に合ったみたいで。
でも……
忘れてた!!!
私、七星くんへのお弁当と一緒に、
メッセージカードを入れたんだった。
『好きな人は、いますか?』って。
目の前の七星くんは、
まだ私の作ったお弁当の話を
してくれている。
でも、メッセージカードのことばっかり、
頭の中がグルグル回っていて、
全然耳に入ってこないよ。
そんな時、
「七星! 早く帰ろうよ!」
離れた席から、クルミちゃんの声がした。
「りっちゃん、
おいしいお弁当をごちそうさま。
お弁当箱はどうする?
洗ってまた届けようか?」
「大丈夫……自分で洗うから……」
「俺の弁当箱、もらってくね」
このままじゃ、
七星くんにお礼も言えずに
バイバイになっちゃう。
それは……
嫌だ……
「りっちゃん、また明日ね」
そう言って、
七星くんがドアに向かって歩きだした時、
必死に七星くんの持っているお弁当箱を
つかんじゃった。
「りっちゃん?」
「え……と……
お弁当……すごくおいしかったし……
嬉しかった……
ありがとう……」
お礼を言うのにいっぱいいっぱいで、
うつむいたまま、なんとか言えた。
七星くんは、
太陽みたいにまぶしい笑顔を
私に向けてくれた。