白雪姫に極甘な毒リンゴを

 
 机にぺたりと右の頬っぺたをくっつけて、
 窓の外を眺めた。


 七星くんが、仲いい友達6人で
 楽しそうに帰って行く姿が目に入った。


 もちろん、
 七星くんの隣にはツインテールが揺れている。


 あんなに仲がいい二人を毎日見てきたのに、
 何で私は、期待しちゃったんだろう……


 七星くんの隣で笑うのが、
 こんな地味な私だって……


 恥ずかしいくらいの勘違いをしていた自分が
 情けないほど惨めで、
 勝手に瞳から、
 大粒の滴がぽたぽた落ちていく。


 その時


「大丈夫?」


 教室の入り口の方から、声がした。


 誰かに……
 こんな惨めな姿を見られちゃった……


 とりあえず帰ろう。
 ささっとこの教室から逃げ出そう。


 そう思っていたのに……


「赤城さん? 何かあった?」


 私の席の真ん前から、
 聞こえる声にビックリして顔をあげると、


 そこにいたのは……


 え……と……誰?

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