元カレと再恋愛ってありですか？
初めて聞く、離れている時間の奏介の話に紗那は聞き入る。
知らなかった・・・・

「毎日どんなに頑張っても認めてもらえなくて、うまくいかなくて、心折れそうになることも逃げ出しそうになることもいっぱいあったんだ。」
「でも、逃げなかった」
奏介が紗那の言葉に、紗那をまっすぐに見つめた。
「あぁ。逃げなかった。」

もしも、その頃の奏介の隣に自分がいたら奏介をもっと支えられただろうか・・・
どれだけつらかったか、想像でしかなくてもその時の奏介を抱きしめたい衝動にかられる紗那。

「その時に支えてくれたホームステイ先の家族のおばあちゃんが、めちゃくちゃ料理上手でさ。修行先のレストランでうまくいかないと家に帰った時に家であれこれ教えてくれたんだ。」
「いい人だね」
「あぁ。本当にいい家庭だった。俺の第2の家族なんだ」
「いいね。そういうの」
「これが厳しくてさ。」
奏介は再び目を閉じて空を見上げた。
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