復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
「環奈、怖かったろ?ごめんな。河本先輩がレギュラーから外れて、おれがレギュラーになったから、最近ああいう風に、なんでも文句言ってくるんだ」

雅彦は申し訳なさそうに言いながらカラーコーンを再び持ちあげる。

「嫌な先輩だね!」と美玖は眉間にしわを寄せる。

「大丈夫。これ、あとで食べてね」

環奈は袋を渡す。

「サンキュー」と雅彦は受け取ると、腕に引っ掛けて、カラーコーンを両手で持ち上げて、片付けの輪に戻って行った。

チャイムが鳴り響き、美玖が校舎の方に視線をやる。

「私らも、そろそろ行こう」

「うん」とうなずく環奈の口の端が少し引きつる。

麗羅たちからまたなにか言われるのではないか、と思うと、胸が重たい。

環奈はそっと胸ポケットに手をあてた。夏祭りで雅彦からもらったおもちゃの指輪が入っている。お守りがわりに持ってきたのだ。
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