復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
まるで三時間の映画を見たように脳は疲労感でいっぱいだというのに。

しかし、由愛の考え方に吐き気のするような嫌悪感を環奈は覚えていた。
人を見下し、なにひとつ気持ちを考えない。

怒りで身体を震わせながら、環奈はトイレから出た。

不思議な体験だった。きっとマリア様のの力なのだろう。

十字架は熱を失い、静かに戻っていた。この十字架が熱くなったら、人の罪が見える……というサインなのだろうか、と環奈は考えながら歩く。

しかし、由愛の罪を見ても、どうやって裁けばいいのか、環奈には見当もつかない。

自我が芽生えたときから、ねじ曲がった考えを持ち、自分が特別だと思っている由愛に、環奈が口で注意しても、虫の羽音ぐらいにしか思わないはずだ。
< 172 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop