復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
環奈も明るい木村に、違和感を覚えつつも、一時間目の英語の自習をするために教科書とノートを取り出した。

しかし上の空でノートを広げても、思い浮かぶのは雅彦の事故のことばかりだ。

まっさらなノートを見ながら、環奈は考える。
あの事故動画を撮影したのはサッカー部で雅彦を盗撮していたのと同一人物ではないだろうか。

しかし一体なんのために?
サッカー部での練習を盗撮していたのは、ファン心理だと百歩譲れば理解できなくもない。だが、事故の瞬間の痛ましい動画をネットに投稿するなんて、どういう心理状態なのだろうか。

ひとつわかっていることは恐ろしい欲望の持ち主だということだ。それは間違いない。

色々考えていると頭痛がしてきて、あっという間に午前の授業が終わり、下校の時間となった。


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