復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
※※※※※※※

んな……藤原環奈……。

誰かが呼んでいる。
体が冷たい。指先が痺れたみたいに動かない。

藤原環奈!

もういい、このまま寝たいの。
何もかも忘れて……。

目を覚ませ! 

砂漠の果てから聞こえてくるようなその声に胸が熱くなる。
十字架ではない。雅彦がくれたおもちゃの指輪が熱を持っている。
まるで雅彦が語りかけてきてくれているようだ。

君はなんのためにここまでがんばってきたんだ?

誰かの問いかけに、環奈はつぶやく。
雅彦のため。雅彦のためだけにがんばってきた。

目を覚ませ!

環奈は暗闇の中で泣きじゃくった。

好きだ。雅彦のことが。
やっぱり雅彦のいる世界が私は好きだ。辛くて傷つく現実があっても、雅彦と一緒がいい。雅彦ーー。
< 346 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop