復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
「杏奈……行かないで」

懇願する勇吾に杏奈は口づけをした。
目を閉じた勇吾は一筋の涙を流していた。

「杏奈、ありがとう……」

『勇吾、がんばって生きて……』

杏奈はそう言うと、流れ星のように空へと消えて行った。

環奈は涙が止まらなかった。
あの世とこの世で思い合うふたりの強い気持ちに。

月光の下に静寂が戻る。体育館裏のトイレは、あの世への穴が閉じたためか、炎は弱まりつつあった。

勇吾の出血は止まり、呼吸は落ち着いていた。
環奈は救急車を呼ぼうとスマホを取り出す。すると、雅彦の母から着信があった。

後でかけ直すことを伝えようと、電話に出る。

『環奈ちゃん! 落ち着いて聞いてね、雅彦がーー』

雅彦の母が涙まじりの大声をあげる。
続きを聞いた環奈の目から涙が溢れて、ひざから崩れ落ちた。
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