復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
勇吾の記憶喪失は、杏奈の最後の優しさだったのでないだろうか、と環奈は思う。
勇吾が前を向いて生きていけるようにあえて記憶を消したのでは。
きっと、寿命を全うして、あの世に行き、杏奈に会ったときに、すべてを思い出すのだろう。
「あの、これ……」
環奈は封筒に入れたある物を勇吾に渡す。
これを渡すために今日ここに来たのだ。
「これは?」
「池上先輩の持ち物です。やっと返せます」
封筒を逆さにした勇吾の手のひらに十字架のネックレスが滑り落ちてくる。
あの時、勇吾を助けるように落ちたこの十字架のネックレス。環奈は、これは杏奈と勇吾の思い出の品ではないかと思った。
十字架のネックレスを勇吾はじっと見つめている。
「なにも思い出せない……だけど」
勇吾がポロポロと涙を流していた。
勇吾が前を向いて生きていけるようにあえて記憶を消したのでは。
きっと、寿命を全うして、あの世に行き、杏奈に会ったときに、すべてを思い出すのだろう。
「あの、これ……」
環奈は封筒に入れたある物を勇吾に渡す。
これを渡すために今日ここに来たのだ。
「これは?」
「池上先輩の持ち物です。やっと返せます」
封筒を逆さにした勇吾の手のひらに十字架のネックレスが滑り落ちてくる。
あの時、勇吾を助けるように落ちたこの十字架のネックレス。環奈は、これは杏奈と勇吾の思い出の品ではないかと思った。
十字架のネックレスを勇吾はじっと見つめている。
「なにも思い出せない……だけど」
勇吾がポロポロと涙を流していた。