復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
最近、めっきり力が弱ってきた赤ん坊はこのトイレから出ることができないのだ。

怨みを持って死んだ人間に取り憑き、校舎をウロウロしたことはあったが、今の力では難しいかもしれない。

シートの向こうに二つの人影が見えた。手をつないだ制服姿の男子と女子だ。
よくある光景だったが、なんだか気になり、赤ん坊はじっと見つめる。

男子ーー背が高くて、中性的な整った顔立ちをしており、若く自信に満ちあふれたオレンジ色のオーラが陽炎のように立ち昇っている。

隣の女子ーー顔立ちはおとなしそうで、小柄だ。
しかし、赤ん坊はその女子に目が釘付けになった。

女子の身体からは見たことがないほど美しいオーラが出ていたのだ。
虹色のように様々な色が重なり合い、女子を守るように包んでいる。
温かなオーラに包まれながら微笑むその女子を見て、赤ん坊は初めての感情を抱いた。
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