オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「オレが会いたいだけだから、そんなの我慢

じゃない。」

それじゃ、蓮人さんは…。私の知らないとこ

で何か我慢してることがあるの?

「何を我慢してるか、教えてください…。」

蓮人さんの力になりたい。一緒に乗り越えた

いから教えてほしい。

「ほんとに教えてほしい?」

あれ?意地悪するときの声だ…。これもしか

して、地雷踏んだ?

「いや…またの機会に…。」

嫌な予感がした私は、蓮人さんの腕を抜け出

して部屋の奥にそろそろっと歩いていく。

だけど…。

「逃がさねぇよ。」

「わっ!!」

簡単に捕まって、後ろから抱きしめられる。

「ちゃんと丁寧に教えてあげる。」

「ひゃぁ…!」

耳元で甘く囁かれた後、柔く噛まれた。

「れ、蓮人さ…」

初めての感覚に体が震えてしまう。

「オレが我慢してるのはこれ以上のこと。」

これ以上って…。

そこまで言われてやっと理解した私は、全身

の熱が顔に集まる。

「今はしねぇよ。ももが大丈夫になるまで待

ってるから。」

後ろから降り注ぐ甘くて優しい言葉に胸がぎ

ゅっとなる。

「ありがとうございます…。」

「その代わり、あんまり可愛い顔で煽るな

よ?」

さっきの優しい声とは裏腹に、意地悪に囁く

と柔らかい唇が耳に触れるだけのキスをし

た。

「私は何もしてないです…。」

蓮人さんがかわいいって言ってくれるのは嬉

しいけど…。
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