オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~

嫉妬記念日

「ももちゃん、最近蓮人さんと何かあっ

た?」

「な、なんで?」

「最近蓮人さん、校門に来てないし、ももち

ゃんも元気ないから。」

やっぱりこういうところは鋭いのね…。

「お前、蓮人さんのことになるとすげぇわか

りやすいよな。」

聖菜の隣で呆れたように玲悟くんが笑う。

聖菜よりはしっかりしてる自覚があったんだ

けど、もしかして私も変わらない?

「聖菜以上の大物かもな。」

鼻で笑う玲悟くんを見た聖菜が「どういうこ

と?」と首を傾げている。

そんなあざとすぎる仕草に、玲悟くんの顔が

見る見るうちに赤く染まっていく。

「玲悟くんも充分わかりやすいけどね。」

「二人で何の話してるの?聖菜だけ仲間外れ

なんてひどい。」

聖菜のいじけた顔がかわいくて、自然と笑み

がこぼれる。

「それで、蓮人さんと何があったの。」

玲悟くんは聖菜の髪を撫でながら、私の話を

聞いてくれる。

二人にデートの日のことを話すと。

「ももって嫉妬深いんだな。」

「意外だね…。」

二人の反応、想像してたのと全然違うんだけ

ど。

もっと親身になって、悩んでくれると思って

いたのに、驚いたかのように目を見開いたか

と思えば、すぐにいたずらっ子のように目を

細められた。

「あの…。結構真剣な悩みなんだけど。」

二人はクスクスと笑いながら、

「惚気の間違いだろ。」

「ももちゃんかわいい~。」
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