オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
短く唇が触れ合うと、少しずつ深くなるキス

に溺れていく。

「もも…。」

甘い声で名前を呼ばれて、心の奥が満たされ

ていく。

「蓮人さん…。」

お互いの気持ちを確かめ合うようなキスが終

わると。

「今日、もものこと離せそうにないんだけ

ど。」

「えっ!」

そ、それって…。ついに…?

蓮人さんの言葉に、思わず体が強張る。

「何もしないからそんなに緊張すんな。」

蓮人さんは楽しそうに笑いながら、私の髪を

くるくると遊んでいる。

「言っただろ?ももが大丈夫になるまで待つ

って。」

「私、もう平気ですよ…?」

怖くないわけじゃないけど、蓮人さんにもっ

と触れたい。触れてほしい。

蓮人さんになら…。

「もも。」

「蓮人さんに我慢してほしくないんです。」

蓮人さんの目をまっすぐ見つめて話す。

「知らねぇぞ。」

「ぁ…」

気付けば私の体はソファに横たわっていて、

蓮人さんの後ろは白い天井が広がっていた。

「蓮人さん…?」

「あんまり煽られると困るんだって。」

色気の溢れた蓮人さんの瞳に映る私は、恥

ずかしくなるほど蓮人さんを求めている。

ゆっくりと蓮人さんの顔が近づいて、唇が

重なると、啄ばむように何度も角度を変え

てお互いの想いに触れる。

「足りない…。」

蓮人さんが甘くかすれた声で囁くと、舌が

首筋を這い、強く強く吸われる。
< 107 / 185 >

この作品をシェア

pagetop