オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
オレは両親との楽しい思い出も、愛された記
憶もない。そんなの知らなくてもいい。
ずっとそう思っていた。
それでもオレは知ってしまったんだ。
家族の絆に血の繋がりは関係ないことを。
たった一人の親友が言ってくれた。
「蓮人の周りは、必ず大事にしたい人で溢れ
るから。」
大事な人で溢れた今を、守りたいから。
「先生。オレ、大切にしたい人ができまし
た。」
「そう…。よかったわね、蓮人君。」
目を細めて笑う先生は、本当に我が子を見て
いるかのようだ。
「先生。これから少しずつでいいので、オレ
の両親のこと、教えてもらってもいいです
か?」
ももが家族のことを話すとき、いつも楽しそ
うで、本当に家族が好きだってことが伝わっ
てくる。
その影響なんだろうか。オレも、両親のこと
を知りたいと思い始めたのは。
「もちろんだよ。いつでも聞きにおいで。」
先生は一瞬驚いていたけど、いつもの優しい
笑顔で受け止めてくれた。
それから少しだけ先生と話をして、施設を出
ると、オレンジ色の空が広がっていた。
「黒宮蓮人さん…ですか?」
突然名前を呼ばれ、振り返ると、制服姿の女
の子が立っていた。
だ、誰だ?ももの友達?でも制服が違う…。
「そうだけど、君、誰?」
「私、高峰早織と言います。」
た、高峰って…。
「高峰みどりの娘です。」
先生の娘?
憶もない。そんなの知らなくてもいい。
ずっとそう思っていた。
それでもオレは知ってしまったんだ。
家族の絆に血の繋がりは関係ないことを。
たった一人の親友が言ってくれた。
「蓮人の周りは、必ず大事にしたい人で溢れ
るから。」
大事な人で溢れた今を、守りたいから。
「先生。オレ、大切にしたい人ができまし
た。」
「そう…。よかったわね、蓮人君。」
目を細めて笑う先生は、本当に我が子を見て
いるかのようだ。
「先生。これから少しずつでいいので、オレ
の両親のこと、教えてもらってもいいです
か?」
ももが家族のことを話すとき、いつも楽しそ
うで、本当に家族が好きだってことが伝わっ
てくる。
その影響なんだろうか。オレも、両親のこと
を知りたいと思い始めたのは。
「もちろんだよ。いつでも聞きにおいで。」
先生は一瞬驚いていたけど、いつもの優しい
笑顔で受け止めてくれた。
それから少しだけ先生と話をして、施設を出
ると、オレンジ色の空が広がっていた。
「黒宮蓮人さん…ですか?」
突然名前を呼ばれ、振り返ると、制服姿の女
の子が立っていた。
だ、誰だ?ももの友達?でも制服が違う…。
「そうだけど、君、誰?」
「私、高峰早織と言います。」
た、高峰って…。
「高峰みどりの娘です。」
先生の娘?