オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
言われてみれば、優しい表情や柔らかな声

は、先生の面影を感じる。

でも、なんで先生の娘がオレに?

「どうしても話したいことがあります。」

真剣な眼差しにオレは何か嫌な予感がした。

「あなたの両親と私の母について。」

「は…?」

オレの両親と先生って、どういうことだ?

「先生とオレの両親が友人ってことなら聞い

たけど。」

確かに先生が、オレに何か隠していることは

知ってる。この子はその秘密を知っているの

か?

「それじゃ、あなたの両親が、本当の両親じ

ゃないことは…?」

は…?この子、何言ってるんだ?

なんで先生の娘がそんなこと知っているん

だ?

じゃあ、オレの実の親は誰なんだ?

「すみません…。知らなかった…ですよ

ね…。」

涙を零して謝る少女は、とても嘘をついてい

るようには見えない。

「どういうことか、聞かせてくれる?」

できるだけ優しく少女に話しかけた。

それから、オレ達は近くのファミレスに入

り、話を聞いた。

「私、見ちゃったんです。母の部屋にあった

手紙を。」

少女はスクールバッグから白い封筒を取り出

し、オレの目の前にそっと置いた。

「読んでいいの?」

「もちろんです。」

オレは封筒の中から手紙を取り出し、目を通

した。

「これ…どういうことだよ…。」

「私、ずっと探していたんです。あなた

を。」

それってつまり。この子はオレの…。
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